投資家シロヤマ 初心者の「気になること」

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アメリカの自動車関税上乗せ延期と自動車産業・EV化の覇権争いの勝者は?

今日の気になることは「アメリカの自動車関税上乗せ延期と自動車産業・EV化の覇権争いの勝者は?」です

  

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1. アメリカの輸入車自動車関税上乗せ延期

 ・アメリカのトランプ大統領は17日、日本などからの輸入自動車に関税を
  上乗せするかの判断を最大180日、延期すると発表した。
 ・トランプ大統領が署名した大統領令では、自動車の輸入増加が
  「アメリカの安全保障を損なう脅威になっている、輸入を減らして、
  国内の競争環境を改善しなければならない」と指摘している
 ・その上で、輸入自動車の関税を上乗せするかの判断を最大180日、延期して
  その間に日本やEUと交渉を行うよう関係省庁に指示した

 今回、自動車関税の上乗せが半年程度猶予ができたものの、依然米国の自動車産業を
 守る保護貿易のスタイルが目立っている

2.アメリカの輸入車自動車関税上乗せの理由

  アメリカの輸入車自動車関税上乗せしたい理由は、自国の自動車産業を守るため

  である

  アメリカに本社を置く自国の自動車メーカGM、フォード等は、日本のトヨタ、

  日産、本田や欧州のVW等の輸入車に品質、コスト、環境技術で遅れを取り、

  競争力を失っている
  

  自動車は、部品メーカまで裾野が広く、経済影響が大きい
  この対抗措置として、輸入車の関税を上乗せして、自国の競争力をサポートしたい

  思惑である
  

  これに対しては、現地生産化が必須と思われる

3.自動車産業・EV化の覇権争いの勝者は?

  米国自動車メーカは、なぜ競争力を失ったのか?

 
  米国では、従来から大きくてゆったりできる大型乗用車が好まれていた
  一方、世界では、石油資源の枯渇やCO2やNOx排出による気温上昇に伴い、

  燃費規制や排ガス規制が強化され、低燃費で環境にクリーンな環境性能を持つ

  小型乗用車のニーズが高まっている
  

  環境性能を持つ小型乗用車に関する高い技術は、日本や欧州の自動車メーカが

  リードしており、アメリカのメーカは勝ち目がない

 

  今後の自動車市場の予測を見ると、地域では米国、欧州、日本は頭打ち、中国、

  インドが増加が見込まれている

 

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出典元:経済産業省

  中国では、政府がEV車を促進している
  中国政府は、日本や欧州の自動車メーカの高い技術力を持つガソリンエンジン車

  では、自国の自動車メーカが勝ち目がないので、EVに関する技術を他国から

  移転して、自国の自動車メーカが覇権を取るように、推進していると思われる

 

  インドは、今後急速に自動車の普及率が増加して、市場の拡大が見込まれている
  インド政府は、中国と同様にEV車を促進している
  インドは石油を輸入に依存しており、EV化で自立した経済基盤を形成したい

  思惑が見える

  

  市場拡大が見込まれる中国・インド共にEV化を促進しており、EV化が自動車

  メーカ生き残りのキーなのか?

  EV化には、実際かなりの時間がかかると思われる
  EV化には、インフラの構造変化として、ガソリンスタンドから充電スタンドへ

  の変更が必要であり、大都市から農村部まで隅々に行き渡るまで相当なお金と

  時間がかかると思われる
  

  各国政府が思うようなスピードでEV化は進まず、現状のガソリンエンジン車が

  相当長い期間、主役であり続ける
  石油の枯渇が心配された70年代ではあと30年と言われていたが、40年程度たった

  現在はあと50年の実質60年伸びており、シェールガスに代表される採掘技術の

  進歩により、石油エネルギーの懸念後退している
  

  当分の間、エンジン車が主役であり続ける理由を後押ししている

  尚、エンジン車の競争力を持つ自動車メーカは、日本、欧州メーカである
  トヨタは、エンジン車にモータを組み合わせたハイブリッド車(HV)を先行する

  技術を持ち、最近HV車に関する特許を無料開放する発表をした
  これは、HV車をグローバルに汎用化を進め、HV市場を拡大して、利益を高める

  戦略と思われる
  一歩間違えるとトヨタ自身が競争力を失うと思われるが、現状の日本市場に偏った

  ガラパゴス的な存在のHV車をグローバルに広げるための長期戦略的な一手と

  思われる

  また、いずれ時代が来るEV車も超長期的には見ていく必要がある
  
  自動車産業の勝者のカギは、短期的(~3年)には現地生産、中長期的(~10、

  20年)にはガソリン車、HV車、超長期的(10、20年~)にはEV車と思われる
  それらに絡む国や自動車メーカ、部品メーカの戦略を注視していきたい

 

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出典元:経済産業省

 

4.まとめ

  ・アメリカの輸入車自動車関税上乗せ延期したが、保護貿易懸念あり

  ・アメリカの自動車メーカは環境技術で遅れを取り、競争力がない

  ・自動車市場が今後伸びるのは、中国とインド

  ・中国とインド政府はEV化を促進しているが、時間がかなりかかる

  ・自動車産業の勝者のカギは、短期的には現地生産、
   中長期的にはガソリン車、HV車、超長期的にはEV車と思われる

  ・国や自動車メーカ、部品メーカの戦略を注視していきたい


  
  自分の将来に向かって、リスクとリターン、時間軸を考えて行動しよう 
  投資は自己責任で、よりよい資産運用を!!
 
  本件、少しでも参考になれば幸いです
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